はじめに
本作は2016年8月に発売されたスペース・サバイバル・アドベンチャーゲームだ。その特徴は手続き型生成によって宇宙空間という途方もない大きさをオープンワールドで実現している点にある。
発売から4年経過した現在も頻繁に大規模な更新があり、各種機能追加や仕様変更によって過去常識と身についたものも更新が必要になったものも多い。本ページは新規の方、また長らくブランクがある方が本作の歴史的な内容を追いかけられるようにしたものだ。
本作の更新パターンもだいたい固まってきた。
- 年に一回8月ごろに大型アップデートあり、大きな機能追加と仕様変更が行われる。v2.0 Beyond以降バージョン整数部分がカウントアップするようになった。惑星環境やゲーム仕様に激変が起こることが多い。
- 以前は大型アップデートの前には半年ほど開発期間があったのだが、v2.2 Synthesis以降2~3カ月おきに小規模アップデートが行われるようになった。機能単体に焦点を当てた追加で関連するゲーム仕様があれば変更される。バージョン小数点下一桁目がカウントアップする。
- バグの修正はこれらのアップデートの直後に集中的に行わる。バージョン小数点下二桁目以降が更新される。リリース時の混乱を反映して必ずしも数値ではないこともある。
現在は2020年8月に公開されたv3.0 No Man's Sky Originsをベースにアップデートを重ねたものとなっている。そこから紹介したい。
v3.0 No Man's Sky Origins
長き旅路の中の新たな一歩
- 2020年9月23日 v3.00 Originsが公開。
- 発売から4年。ついに巨大生物サンドワームや砂漠の惑星が実装。リリース時に欠けていると言われてきた要素はほぼなくなった。そして宇宙に大きな多様性が加えられ、より探索し甲斐のあるものになった。
v3.1 Next Generation
次世代の旅が始まる
- 2020年11月10~12日 v3.10 Next Generation訳
- 次世代CS機向けアップデートが含まれており、それぞれ発売日より利用可能。PCではUltra設定で新たなフィーチャーが利用可能。
v3.2 Companions(最新アップデート)
動物の仲間と共に惑星を探検しよう
- 2021年2月17日 v3.20 Companions訳
- コンパニオンとは「仲間」という意味。これまではユニークな見た目の生物でも惑星を離れるときには別れるしかなかった。このアップデートでは生物を手懐けてペットにできるようになった。長く親交を深めていけば仲間と言える存在になるのではないだろうか。
- ペットのスロットはナノマシンクラスターで購入する。スロットを増やすことにより6体まで登録可能になる。
- 生物に餌を与えることで生物を手懐けペットにできる。餌はこれまで生物の趣向に合わせる必要があったが廃止され、クリーチャーペレットに一本化された。
- スペースアノマリーや宇宙ステーションでもペットを呼び出して連れ歩くことができる。
- 遊んだり、餌をやったり、注意を向けることによって、時間かけて信頼を獲得することができる。役立つ仲間になっていくかもしれない。
- 資源のスキャン、危険のマーキング、ライトで照らす、危険生物への攻撃などで探検を助けてくれる。
- ペットから得た卵を孵化して、親の形質を継承する幼生体から育てることができる。卵はトレード可能。卵にカスタマイズを施して新たな種を得ることもできる
ここからは発売前の情報までさかのぼって、本作の内容を紹介する。数多のビジュアルの改善を経てきた最新の画像と当時の画像の差も注目。
No Man's Skyの特徴
- 18,446,744,073,709,551,616個の惑星
本作にはプロシージャル生成によって1800京個以上という膨大な惑星が存在する。プレイヤーは自身が操作する宇宙船に乗って惑星から惑星へとシームレスに移動し、各惑星で得た資源を元に他の惑星の住人と取引し、宇宙船やアイテムをアップグレードしたり、宇宙海賊と戦闘をしたりと、自由度の高いゲーム性を備えている。
2つとして同じ惑星は存在せず、その惑星の第一発見者となったプレイヤーは自身のプラットフォームのアカウント名と共に任意の名前をその惑星に付けることができる。ゲーム中の宇宙はネットワークを利用し、全プレイヤーが共有しているため、プレイヤー同士の行動がそれぞれ影響し合う。
- 宇宙をサバイブする
宇宙には多くの派閥が存在する。それぞれ派閥の評価を上げることで応対が変わったり便宜をうけたりと様々なことが起こる。共通の敵である宇宙海賊との戦闘に勝利することで評価を上げることもできる。逆にプレイヤーが海賊的な行為を行うと評価が下がり、これまで味方だった人々が敵に回ったり、センチネルと呼ばれる星々を守護する強大な防衛システムと戦うことにもなる。
- 見つけた資源をトレードし、自身をアップグレードしよう。
惑星探索ではプレイヤーが様々な資源を入手することができる。その資源を必要とする他の惑星の住人とトレードして資金を得たり、宇宙船や武器などをアップグレードしたりすることで探索や戦闘を有利に進めることができる。
これら以外も様々な要素が継続的に追加され続けている。
プレリリース
発売前のコンセプトアート
2014年に公開された17枚のコンセプトアート。惑星基地やエクソクラフトのようなものが描かれている。
発売前のトレイラー
壮大な銀河を旅し、惑星と宇宙をシームレスに行き来する鮮烈なコンセプトムービー。あくまでも開発段階のものでバージョンを重ねても長らく見られない光景は多かった。これらのトレイラーにあるロマンの実現を目指すMODも作られたくらいだ。しかしOriginsアップデートを経た今、ほぼ実現されたと言える状態になった。
発売前の開発者からの注意
- 「あなたの想像するようなゲームではないかもしれない」
- 開発者の1人であるMurray氏は、期待されがちなPvPのマルチプレイや、街や文明作り、貨物輸送といった要素は“現時点”では実装されていないと言い切り、そういったゲームではないと語る。しかし、これらの要素の一部はのちのアップデートで追加されること示唆している。とにかく『No Man’s Sky』はマルチプレイヤー要素を公開してからというもの、「MMOなのか」という質問が生まれており、そのたびにMurray氏はそういった要素を否定している。スケールの大きさから「なんでもできる」と思われがちであるが、あくまで宇宙を探索しお金を稼ぐという流れが根本にあるようで、ゲーム内容の説明に懸命になるのはプロモーションでありながら“間違った方向への期待”の抑制としての活動であるとも見受けられる。そして最後にMurray氏は、『No Man’s Sky』はニッチで奇妙であるがゆえに、万人向けの作品ではないことを強調しながら、ユーザーにとってきっと今までに経験したことのないタイトルとなるになるであろうと、公式ホームページの声明を締めている。
AUTOMATONより転載
v1.0 Initial Release
- 2016年8月9日PS4版(米国)、2016年8月13日PC版、2016年8月25日PS4版(日本)リリース。
- 開発者の心配のとおり、内容からかけ離れて過剰に膨れ上がってしまった期待に対して、初期リリースはトレイラーにあった要素や仄めかされた仕様について未実装のものが多く、ただ銀河の中心を目指すだけとなっており、バグも多かった。大きな落胆と批判に晒されることになってしまった。
- 一般的なパッケージゲームは基本的に売り切りであり、誰もが本作は途方もない可能性を秘めながらこじんまりと終わってしまったと思っていた。バグ修正のアップデートが続けられる裏で、非難に晒されて沈黙を続ける開発者が本当の長い旅路を用意しているとは誰も想像していなかった。
v1.1 Foundation
長き旅路の最初の小さな一歩
- 2016年11月29日v1.1 Foundation Updateが公開。
- Foundationとは「基礎」という意味だがここでは大型拡張の第一歩であることと「基地(Base)」の二重の意味を表しているものと思われる。まず第一歩として実装されたのは多くのプレイヤーが希望したマインクラフトのような建設要素と星系間を貨物船で交易できることだった。このときから、ただ銀河の中心へ探索を進めるだけのゲームではなくなった。
- 基地によって宇宙農業が可能になった。独特のデザインも注目。
- 貨物船が実装され、貨物船で別星系に向かったり、建設可能部分をカスタマイズできる。
v1.2 The Path Finder
進むべき道を示す次なる一歩
- 2017年3月9日v1.2 The Path Finder Updateが公開。
- Path Finderとは「道を示す者」。またPathfinderには「開拓者」という意味もある。開拓要素のさらなる強化が図られた。つまり銀河を越えずに足場を固め探索を広げるという要素を強化する方向性が示された。
v1.3 Atlas Rises
16/16… 16が示すものとは?
- 2017年8月11日v1.3 Atlas Risesが公開。
- 発売から1年、ストーリー部分にあたる長編ミッションとチュートリアルが整備された。
- アトラスとは本作における神のような超越的な存在。これまでその詳細とプレイヤーとのかかわりは全く語られてこなかった。それがついに明かされることになった。ストーリーの整備にあたって第4の種族トラベラーが導入されプレイヤーはそこに所属すると定義された。
- ゲームとしての完成度はリリース時から比べて大幅に上がり、好意的な評価が増えていった。
- このアップデートに先駆けて「Waking Titan」というARゲームがあり、その第1シーズンの最後にNo Man's Skyへの関連が明らかにされてATLAS RISESの公開という手の込んだ導入になっている。「Waking Titan」はその後も第2シーズンが続きNextに繋げて完結した。
v1.5 No Man's Sky Next
宇宙に大きな変化が発生
- 2018年7月24日XboxOne版がリリース、あわせてv1.5 Next が公開。
- 発売から2年、ゲームは新しい段階に突入した。宇宙に大きな変化が起き、ゲームシステム、資源、テクノロジーが一新。三人称視点が追加され、全く新しい感覚で遊べるようになった。自分の姿もカスタマイズできる。共同ミッションコミュニティリサーチの追加によって、プレイヤー同士が出会うという機会は稀ではなくなった。
- セッションと呼ぶ新たなマルチプレイモードが実装。このモードでは互いに完全なキャラクタが視認できる。4人まで集い、ジャスチャーで交流しながら友人とともにミッションを遂行できるようになった。マルチプレイの強化はストーリーとして予告されていた世界の壁が崩れ去りトラベラー同士が交流できるようになるというAtlas Risesのストーリーの未来予測を実現したものになっている。
- v1.0で離れたプレイヤーも次第に戻ってくるようになった。Atlas Risesの最後のバグ修正から半年の沈黙があり、本作は一応の完成を迎えたと思われていたが、開発はこの旅路を簡単に終わらせる気はないのだとようやく認識がされたのだった。
v1.7 The Abyss
深淵からの呼び声
- 2018年10月29日v1.7 The Abyss が公開。
- 水中探索に焦点を当てたアップデート。水中を探索するための新しいエクソクラフトが導入。水中に数々の構造物・生物などが追加された。
v1.75 Visions
多彩な風景
- 2018年11月22日v1.75 Visions が公開。
- 新しいエキゾチック惑星、惑星の色彩や危険生物、トレジャーハントなど地表探索の強化に焦点を当てたアップデート。依然として不具合はあるが、かなり減ってきた。
v2.0 No Man's Sky Beyond
「次」の先へ
- 2019年8月14日v2.03 Beyondが公開。
- 発売から3年。BEYONDはこれまでで最も野心的な章としている。予定されていた三つの大型アップデートをまとめたもの。Beyondのアップデートは従来通り無料で提供された。
- No Man's Sky Online
- No Man's Sky Virtual Reality
- PSVRとSteamVRに対応。単なる小手先な移植ではなく真のVRアプリを目指したもの。
- 地上での移動方法は酔いにくいテレポート方式だけでなく、普通に移動する方法も選択できる模様。手を動かして自由なジェスチャーが可能。
- VRゲームとして画期的な操作性を実現。
- No Man's Sky 2.0
- 惑星基地に論理的な要素を持った電力システムが導入され、自動化された大量の採掘や収集が可能になった。
- 動物の飼育や騎乗、搾乳などがサポートされ、料理が実装。
v2.2 Synthesis
プレイヤーの要望が結実する
- 2019年11月28日v2.21 Synthesis(原文/Google翻訳)が公開。
- プレイヤーの要望を取り入れた数々のアップデートが盛り込まれた。宇宙船のアップグレードがついに可能に。
- 宇宙船艤装ターミナルが追加。スロットを増やしたりクラスを上げることが可能
- 不要な宇宙船をスクラップにして材料にする要素を追加
- 複数のマルチツールの所有が可能になり、クイックメニューで変更可能に
- 地形編集に地形を均すための新モードが追加
- 惑星基地の地形編集が保護されるようになる。他様々な改善とコストが軽減
- ストレージコンテナの貯蔵量の増加
- プレイヤーの外見が保存可能
- VR以外でもエクソクラフトの一人称視点が可能に
- VRでもフォトモードや騎乗が可能に
- 新たなテクノロジーの実装
- 新しいベースパーツ
- ディスカバリーページの改善
- バックパックが精製機の機能を持つように
- 方針変更
- Atlas Rises、Next、Beyondといった大規模アップデートは、その規模の大きさにより、開発チームはリリース前の半年間を沈黙して開発に専念せざるを得なかった。それはプレイヤーにとって不安な時間だった。しかしここからは方針を変え、大規模アップデートの開発期間中にもプレイヤーが喜んでもらえるように小規模アップデートを並行して行うようになった。こうして2020年の明けから概ね隔月リリースという怒涛のアップデートが始まった。
v2.3 Living Ship
- 2020年2月19日v2.30 Living Ship(原文/Google翻訳)が公開。
- 卵から孵して育てる新たな宇宙船クラスが実装
- 生物船誕生にまつわる新たなシリーズミッションの実装や、星系内の新たな探索要素などが加えられた
- 長く修正されなかった数々の不具合にも手が入り、さらに遊びやすくなった
v2.4 Exo Mech
人型エクソクラフト大地に立つ
- 2020年4月7日v2.4 EXO MECHが公開。
- 強力なジェットパックを装備したエクソクラフト・ミノタウロスが登場。
- ミノタウロス実装によって、従来のエクソクラフトの位置づけが変更
- 貨物船にエクソクラフトを召喚する新しいテクノロジーが追加。これによって貨物船がある星系内にエクソクラフトの呼び出しが可能に
- 惑星基地の送電線を隠すための仕組みが追加
v2.5 Crossplay
- 2020年6月11日v2.51 Crossplayが公開。
- 本作はPS4、XboxOne、PCという機種によるプラットフォームだけでなく、PC版はSteam、GOGというストア別にも細分化しており、これまではそれらは全て分断された状態だった。
- 2020/6/11より新たにMicrosoftストア/XboxGamePass版がリリースされるにあたって、すべてのプラットフォーム間でのクロスプレイが実装された。
- Nexusのロビーに複数のプラットフォームのプレイヤーが集結、自由にグループを組んで探索できる
- 「No Man's Skyフレンド」という独自のフレンド機構を実装、プラットフォームを超えたフレンドリストを構築できる
- 「No Man's Skyフレンドコード」を交換することでオフラインでプレイヤー情報を交換することもできる
v2.6 Desolation
遺棄された貨物船で何が起こったのか?
- 2020年7月17日v2.6 Desolationが公開。
- No Man's SkyがSFホラー風シューティングに早変わり。実装に合わせてライティングや戦闘全般が爽快に遊べるように改善された。
- 宇宙空間を乗組員に遺棄された貨物船が漂流している。その内部はまさにダンジョン。価値ある品々も残留しているが、様々な危険も潜んでいる。あなたの任務は乗組員たちに何が起こったのか調べることだ…
- 探索の舞台は星系を元にプロシージャル生成される。星系毎に異なった遺棄貨物船がある。
- 貨物船の名前もそこで起こった物語もプロシージャルに作り出される
- 獲得できたテクノロジーで貨物船のアップグレードが可能に
- SFホラー要素を盛り上げる新しいライティング効果が実装
- マルチツールを使った戦闘もオーバーホールされて快適に
More will follow ...
旅は続きます