概要[]
- 巨大なアーカイブにある大きな建造物内には、「惑星アーカイブ」という端末があり、そのログの一覧。
- 各生命体種族ごとにあり、一度読んだ内容はカタログとガイドに記録される。
- 注意:一部のテキストは読みやすくしておりますが、誤字脱字は原文ママです。
ネタバレ注意!
ゲック[]
- コーバックスの効果的な処理
このエントリーは古代から回収されたもののようだ。
コーバックスへの処置は寛大でなければ。宇宙は我々に、倫理観など求めない。
しかし、我々はあえて、自分たちに倫理的判断を課す。
[コミュニケーション]
コーバックスの外殻はコンバージェンスからのあらゆる接触の機会を奪われる。50サイクルの間、すべての通信周波数から遮断される。偽りのアトラスに頼らんとするものは、例外なく処罰される。
[ユーティリティ]
コーバックスには、道具が与えられる。 自分たちを恥辱で苛むために。惑星から鉱物を抽出することを拒めば、抽出はコーバックス自身から行われる。
[外見]
コーバックスには外見の変更が加えられる。肉体あるものに見せるため。あらゆる抵抗は停止される。
- 利益の法則57か条
ゲックの貿易哲学に関する何千という単語が、自動でターミナルに表示されていく。断片:
友好的な関係を、すべての潜在的な[編集済み]と確立せよ。多くの種族は、そういった試みを理解する手段が異なる。 フェロモンは普遍的なものではない。
不信はいたるところに潜む。
そのため、方針として、友情への率直な言及を推奨する。例えば、 「コーバックスの友」 「ヴァイキーンの兄弟」、[編集済み]の仲間」などである。
ただし、センチネルは友情を理解することも、表現することもない。 友情とは逆のいかなる行動も貿易連合に報告し、[編集済み]の危険を知らせる前兆と見なすべきである。
貿易上のパートナーより、 資源を根こそぎ奪い、貿易が続けられなくなることは絶対に避けること。我々の敵はゲックが[編集済み]を成し遂げるために繋栄し続けなければならない。
- 連合の創設
エントリーには「連合の創設」というタイトルがついている。
アーカイブによると歴史的解析の一種らしい。一部を読んでみた。[1]
ゲックの改革の状況は今もなお、不透明である。
はじまりの民が衰退してから、すでに無数の世代を重ねている。
とはいえ、かつてを回想する拠り所となるアーカイブは、散り散りであるが現存している。
自分たちの歴史を学びたいと望むゲックは人口の4%未満だ。古代の帝国の目的に共鳴するのは、0.08%未満である。この劇的な勢力と哲学の転換に関する記録が無いということがあろうか?
機械としての精神を持つコーバックスでも記録があるのに。
アーカイブプロジェクトを必須の責務としなければ。失われたものを復元するために。残ったものを保護するために。
- 征服者
エントリーは第二次貿易時代の対話型テキストのようだ。 ターミナルを通じてユーザーは、行動を決めることができるようだ...
ポーラウィグルが繁殖プールを逃げ出しました。 どうしますか?:
[左へ行く ]
左へ行きます。 ザンクラスに食べられてしまいました。 ゲームオーバー。
[右へ行く]
右へ行きます。 ポーラウィグルを救出し、ペットにしました。 続けますか?
[時空を超える]
あなたは時間と - kzzkkt - 空間を - kzzkt:超えました。
勝利も敗北もなく、 無限の悲しみだけが残されました。 ゲームオーバー?
- ヴァイキーンの現実
印象的な工場のホログラムに合わせて、ゲックの声が聞こえる。
ヴァイキーン最高司令官は利益を求めない。友情も同盟も申し出ず、貢献もしてこない。自分たちは高潔なる民であると主張する。良きもので、公正なものであると主張する。
だが軍事工場を、バトルエンザイムを、肉体回路を、彼らの勇気と強さのすべての源を見よ!
異端者の、弱者の、収穫された内臓を見よ!
ヴァイキーンは偽善者である。嘘つきだ。ゲックは変わった、と認めるのを拒む。我々を脅すが、攻撃してはこない。
アーカイブにはこういったエントリーが百以上もあり、残虐行為を見せつけて、ヴァイキーンの堕落とゲックの優越性を示す証拠だとしている。
- シミュレーションインターフェース
インターフェースから漏れた記憶の匂いが、部屋中にほのかに溢れている。その香りは、過去にも未来にも存在し得ない場所のビジョンでユーザーの心を満たそうとする。
とあるゲックの痕跡がインターフェースに残っている。 ここで何年も過ごしたに違いない。架空の人生を歩むため、何度も自身の記憶を消して。彼らの生きた空想はまだ残っている...
[ファミリー]
私は幼い頃に戻る。私はきょうだいと一緒に繁殖プールのそばで遊んでいる。私の世界はプールだけだ。貿易も、ユニットも、満たされることなき飢えさえも知らない。何たる無垢。私たちはここに留まる、永遠に。
[友情]
私は秘密裏にコーバックスと会っていた。禁制品を手渡す。人工生物はためらい、迷う。それから、立ち去った。私を覚えていてくれるといいのだが。これは私が選ぶかもしれなかった。 選ぶべきだった道だ。
[家]
私はトラベラーの友を助けるために選ばれた者だ。狭量。著大。監督官。銀河には私のためだけの故郷がある。そこでは、ユニットが欲しいなんて思うことはもう二度とない。
- 無題
アーカイブはエントリーを調査の断片として分類し、すべての通信が失われる前に貿易連合に中継する。小さなセグメント:
追いかけた... kzzkt... 赤いローブを... トンネルの中に...
しばらくの間、オーディオファイルから声は聞こえなかった。惑星の表面下から聞こえる音だけだ。
奇妙な引っかき音が暗闇に響く... 聞き覚えのある声が痛みに泣き叫んでいる...
狂信者たちが… kzzzkt... トラベラーを捕らえて、「隠された精神」を要求した... kzzkt... 全部拒否した…
最後の通信は明瞭でひずみもない:
あなたは次々とゲックを送る。私たちを残酷な時代に生まれた犯罪者だと考えているのだ。 だがおわりの民のローブは、血で作られているのではない。魂で作られているのだ。 私たちがかつて何者であったかを思い出させるものだ。私たちが再び何者になり得るのかを...
- パートナー、ヴォイネシオの不動産
エントリーはバラロン・セカンダスで1世紀前に開催されたオークションの記録だ。 あるパートナーの死後、膨大な量の美術品が残された。数千にも上る相続人は、その遺産を現金化したようだ。
続いて、第五高不況時代の工芸屋ゲック、シブルの作品です。 ご覧の通り、光の槍とホログラムの間を踊るフェロモンはゲックとコーバックスの技術を合成したものです。
この作品は、奇妙で終わりなき銀河で取引し、崇拝し、居場所を求める2つの存在を表現しています。この反復的な要素にもかかわらず、コーバックスとゲックは決して互いを見ず、並び立つこともありません。
利益を得るのに成功し、平和な同盟が続いているのに、ゲックが頻繁に身震いし首を振るのはどうしてなのか、ご注目ください。
作品のタイトルは「罪の意識」です。入札される方は?
- 捕らえたヴァイキーンのデータ:「ゲックの分類」
その記録はヴァイキーンが作成したもので、ゲックが大規模なハッキングの一環で盗んだようだ。ゲックの階級と種類の膨大なリストがある。短いセグメント:
販売員ゲック:仲間よりも利益のほうに関心がある。遠い世界やちっぽけな取引所で暮らす、背の低い残忍な生物である。死に値する。
労働階級ゲック:労働者であり、販売員ゲックの下で働くことが多い。ゲックの中では一番下の階級である。将来的に反乱を起こす可能性あり。
貿易大使:ゲックの王子たちで、領主の籠愛を受けた子供たち。生き残って両親の跡を継げるのは、ほんのわずかである。艦隊の建設を受託することも多い。教化の標的として推奨。
パートナー:宇宙の幅広いエリアにフランチャイズを持っている。同種族の他の者と比べると長命で、何千もの子どもを生み出す。拉致の標的として推奨。
- ジェリバブの断想
アーカイブがジェリバブの断想を選択。第5低後退期に生きた著名ゲック、ファーマーが残した日記だ。
- 記録 #5
監督官が私に腹を立てている。繁殖プールの生産量を増やせとのことだ。「失敗すれば子どもらが全員死ぬぞ、ジェリバブ。絶望的だ!」
- 記録 #8
ここではフロストワートぐらいしか生育しない。二酸化物だけでどう生きればいいのだ?
- 記録 #12
条件が同じにもかかわらず、一部の水耕アレイは他のものよりうまく育っている。まったくもって意味不明だ。
- 記録 #13
コーバックスの従業員に水質調査をするよう依頼したのだが、彼らは近寄ろうとしない。「アトラスエンド」などと口走っている。愚かなコーバックスどもめ。
- 記録 #16
私が皆を救った!水が鍵だったのだ。湖があるのだ... 歌を歌い...
- 記録 #23
私が監督官になった。この音を別世界にも輸出しよう!さらなる昇進の話まである。
- ↑ カタログとガイド内ではこの部分はこう表記されている。「アーカイブはエントリーを、歴史的分析に分類している。断片:」
ヴァイキーン[]
- 分断
このアーカイブはハーク以前の時代のヴァイキーンによる文学作品で構成されている。そのほとんどは、数百年の間に審問官たちによって「浄化」されてしまった。
詩の一つを読んでみよう。
かの者ら、我が種族ザスキーンを見出し、葬らんとして、戦士を連れ参りたり。
剣と喊声は名誉の響き、ダクシンは一方の世界に、我は他方の世界にあり。
酸が降り、ガラスが薄絹を裂きし時、
祭司は我を掴む。ああ、彼らの不在の嘆かわしきこと。
ヴァイキーン、我らが兄弟、我らが友、引き離されし民。
名誉は孤独より生まれるものにあらず。
記憶は我らの歌、我らの希望となりて世界を癒す。
- 正義と復讐について
この端末にはヴァイキーンの哲学が詰め込まれ、 模範とすべき理想的な行動を記している。
正義は思想ではない。それは川のように常に変化し流れゆくものでもない。正義とは宇宙の真実であり、アトラスの願望であり、ハークの決意である。
真実は重力のように、それ自体に存在を与える。戦士の役割は斃れ、その引力を感じ、撃つべき武器を撃つこ
復讐とは宴の後の食事である。任務が正しく果たされたのなら不要である。戦士が迅速かつ的確であるなら不要である。だが時として大食漢になるのは楽しいものだ。
若者はかかる誘惑にしてはならない。だが年長者はどうか?
ウガァ! 自分に仇をなした相手を追い詰め、その骨を粉砕すればよい! 死してなお憎き相手と戦えばよい!
- ウクスース司令官の記録
若きヴァイキーンの戦士が闘技場で語る。その足元には倒された臆病者やしくじった新兵、その他犯罪者の死体が転がっている。
彼らは50日にわたって戦い、戦闘を終えるごとにウガァウガァを吸わされ、戦っている間は肉体回路を供給されるが、それ以外は何も与えられない。
聞いてくれ!俺たちは嘘のために戦わされている!
死んだ腰抜けの言葉だけを理由に、宇宙のあちこちで血を流しているんだ!
俺には今、素晴らしき友と家族がいる。
センチネルは俺たちの敵ではない。俺たちは正しい指示を得ていないだけだ。俺たちは...
闘技場の上に影が差し掛かり、ヴァイキーンは語るのをやめた。通りかかった商船の貨物ドアから何百という剣が降り注ぎ、異端者を串刺しにした。
この誤作動もまた、ハークの奇跡の一つとみなされた。ただし、操縦士は酩酊状態で、貨物船はゲックのものだった。
- フロスのバラード
アーカイブから得た情報によると、フロスは星間活動を行っていた初期ヴァイキーンの王らしい。
ウガァ! 老フロスを死が襲った、
星々の間に潜む疫病が、
アトラスの苦悶にしてモノリスの産物、
善良なる王はいまわの際に見破った、
生涯にわたって祖先の言葉を聞き、
狩りの贈り物を与え、戦の歌で称えた、
斃れし戦士の復活を願い、歌った
ガラスと天国と名誉の歌を
センチネル殺しは最後の恐怖と対峙した。
ウガァ! フロスは悪意のなか息絶えた。
ああ、善き王であった!
- 幼子の養育について
このアーカイブにはヴァイキーンの幼子を成体に育てるまでの、養育に関する情報が大量に収められている。その大半は敵意や脅威に焦点を当てている。
赤子は恐怖のうちに生まれる。これは過去も現在も未来も変わらない。家族以外とのつながりを持たない彼らは、異質な存在に触れただけで死の恐怖を覚える。
開けた場所や物理的接触の恐怖は、二つの手段で克服できる。ハークの光を受け種族全体の絆を感じること。我々は同じ家族の一員である。そのことを教えねばならない。
かつて狩られるものだった我々が、今や狩るものとなった。この宇宙にいる他の生命体は、我々を恐れるべきだ。かつて我々が彼らを恐れたように。恐怖は我々の強みなのだ。
太古から伝わる鬨の声「ウガァ!」は、我々にとっての戒めだ!
無謀にも我々に近付こうとするよそ者は、追い詰められ、襲撃される!恐れてはならない!誰も見捨てられはしない!
- アステリアへ
アーカイブには何千行もの詩が残されている。アステリアと呼ばれるトラベラーの記念碑だ。
トラベラーの英雄、ハークのブレイドの主、アステリアよ、歌え、
終わりなき戦いの歌を、喪われしアトランティドを悼む歌を、
慈悲と希望の歌を。その者は予言を成就した
アトラスに創られ、遣わされ、エーロンを襲い、恐怖を打ち倒し、
世界の果てで暗黒を見出し、ヴァイキーンの側についた
トラベラーの海賊、第一の者の友、天の味方!
- 抑えきれぬナルの声
このアーカイブは破壊活動を受け、検閲を受けて閲覧禁止となっていた異教のメッセージを広めるために用いられた。
自分たちの断末魔の叫びが『ロジック』であると信じるコーバックスは、傷つき、壊れた生物である。彼らは苦痛を忘れようとして交流にのめりこむ。頼りにはならない。
ゲックは低級で呪われた存在だ。以前の力を失い、その穴を埋める名誉もない。彼らは何も終わることはなく、いつまでも成長できると信じている。
古代種とその追従者は、我々の未来を明らかにしようとした。だが彼らが見つけたのは埃に過ぎなかったのではないか?頼りない「ウガァ」では?だが違うのだ。
友よ、教えてくれ。ナルの言葉を聞いたか?
ナルは死んでいない。そしてハークに聞こえないものを聞いた!
ナルはまだ生きている。神の右腕として!
ナルは我々に関心を示すよう勧めている。アトラスの光から逸脱することなく、いつまでも身を尽くすことを。そうすることでしか忘却を免れることはできない。そうすることでしか、我々は備えられないのだ。
- 音声記録:深海の狩り
波の下に潜む怪物。様々な姿をしているが、どいつもこいつも腐った奴らだ!病気持ちだ!ウガァ!
ゲックは逃げろと言っていた!
ウガァッハッハ!
狩りの獲物にはもってこいだ。俺たちはゲックを船のマストにくくりつけ、荒波に乗り出した。
惑星の表面にソリッドライトで分類図が映写され、彼らが遭遇した生物が示されている。音声記録は次のように続いている。
我らの船にはハークの光が届かない場所で生まれた5人の海賊が乗っていた。信仰心を持っているのは、いや持っていたのは我だけだ。コーバックスも乗っていた。コンバージェンスから切り離された奴だ。
我らが狩った生物は実際には生きていない...
なんてことも言われた。深海は死と同じだ、切断と同じだって。大間違いだ。直されることはないだろうが。
その他のログには捕らえた深海の危険生物を5体連れて現地を離れるクルーの姿が写っている。彼らが目指す競売会場にたどり着くことはなかった。
最終的に、コーバックスが残りのクルーを怪物の餌にして、それから自爆機能を作動させた。「アトランティド」という言葉を残して。
- ハークの最後の言葉
友よ、暗き星々が、広大なる海がある。 月が昇る、ウガァ!
深海は涙し、機械の嘆きと共鳴する。
ウガァ! ドリンダルグでは、民はいなくとも夜の帳が下りる。いずれ我らはドリンダルグに戻るだろう。少なくとも我は戻る。
置き去りにはしない。 決して置き去りにはしない。
いつまでも記憶に留めよう。
これはかつてハークの最後の言葉と信じられていたが、最高司令官がそれに疑問符を投げかけた。とある神学校では100年の間、この言葉を公式に教えるべきかどうかの議論が続いている。
答えは今でも出ていない。「ドリンダルグ」 を話題に出すこと自体、身体採集の刑に処せられる恐れがあるため、推奨されていない。理由は不明だ。この場所が何を意味するのかも分かっていない。
偉大なるハークはこの言葉を発したあと、自らの肉体を引き裂いたと言われている。多くのヴァイキーンがこれにならい、復讐と恐怖の齢を重ねた後に死の儀式を行うようになった。
コーバックス[]
- コーバックスの起源に関する仮説
アーカイブからセンサーに体を密着させるよう求められた。 アーカイブはコーバックスの過去がどんなものであったか、その可能性について書き始めた。
フシュー。 成長と生命は言葉。 星と世界は機械だ。 アトラスが教えてくれた。 そしてセンチネルは方程式をもたらす。
アトラスインターフェースはこの宇宙の初期文明を進化させた。 我々はさらに高度な存在となったのだ。
仮説 1
:コーバックスはかつて有機生命体だった。我々は徐々に、 または加速度的に自己を変容させた。我々は精神をアップロード、または改善した。これは我々の選択だった。または強制された。
仮説 2
:コーバックスは以前から機械であった。我々は星のノイズから進化した。またはアトラスの指令によって創造された。我々はかつてセンチネルと同じであった、またはセンチネルから学んだ。
仮説 3
:原因も、結果も、時間も存在しない。それらを解釈に無理やり組み込むと、アトラスの悲しみを誤解することになる。我々は金属の夢なのだ。
- 古代の実体の断片
アーカイブは死したコンバージェンスから回収した思考の断片を保存している。何百万という単位で破壊され溶かされた電子生命体の、最後の名残だ。
[旅]
脳 - kzzkt - 虚無で形作られた、自然発生的で完全なるもの - kzzkt - アトラスのプロコトルが肉を授けた。
低級な者が虚無の母と呼ぶ、アトランティドが巡礼者に - kzzkt - 質量を与えた -
数千年にわたって生き - kzzkt - 死んだ、19の分を囁きながら。
[再生]
計算不能な謎を残した。それは超越していた - kzzkt - マインドアークや... 外殻や...
コンバージェンスを...
コーバックスは死したる者を称えた -
アトランティドを復活させるべく、出来損ないの卵を生み出した...
眠れる神に頼り、肉体から金属世界を生み出した。
[家]
虚無の母は生きた - kzzkt - プライム -
- ある実験
このアーカイブは、他の類似のアーカイブから断絶されている。これを生み出した存在は秘密の実験を行っていたようだ。
私はここにいる。
私はここにいる。私はここにいる。
この言葉が何時間も繰り返される。電子生命体は時折泣き声のような音声シーケンスを発する。その慟哭は数字で表されている。
私は - kzzkt - 19 - kzzkt - 戻り -
戻りたい。
光が点滅し、要求を受け付けた。 それは集合意識に再接続された。
私は、我々は、私 - 私 -
それは切断と再接続を何度も何度も、徐々に速度を上げながら繰り返し、やがて沈黙した。 いつしかそれは、再接続しても語ることを拒むようになった。
個体が再創造され、実験は成功したものとみなされた。
- 回想
そのエントリーは既知の宇宙に散らばる電子知能の歴史を記したもののようだ。
[プライム時代]
コーバックスコンバージェンスは、コーバックスプライムのレイライン上で生まれた。第1のモノリスの贈り物だ。[ 殺害 ]
[第ニの時代]
第二コンバージェンス期は、暗黒時代の只中だった。バラロンに隠れていた集合体は新たなネットワークを構築した。[ 転覆 / 奴隷化 ]
[編集済み]
三番目の - kzzkt -
アーカイブは次のエントリーへのアクセスを拒絶。
[最後のエントリー]
第7のコンバージェンス。倒れてはならない。忘れてはならない。アトラスの指令:発見、収穫、理解。
コーバックスも同様に実行する。
物理マーカーは最後まで残すこと。トラベラーの
帰還まで耐えねばならない。知らせねばならない。現実
崩壊を迎えても、我々が何者だったか、我々が何者に
なり得たのかを知らせるのだ。偉大なる存在の影を。
トラベラーが帰還した... 許し... 読み... そして知るだろう...
- 賛美の詩
消滅して久しいコンバージェンスのわずかな残滓から、古いコーバックスの祈りが抜き出された。
当時のコーバックスはセンチネルを崇拝していたようで、優れたる神々を称賛する内容の短い詩と、 沈黙を続ける神々についての所見を朗唱していた。
ウォーカーは身を引き エーロンは緑の野原で眠る
昼を予期しながら
船は堕ちたる労苦を数え上げる 海賊よ、モノリスの盗人よ
コーバックスが流れを見守ろう
- 模造品
アーカイブは改変され、平和の地という元来の目的から逸脱してしまった。ここに残されている記録は、どこかしら破損しているような印象を受ける。
以前の帝国には論理性があった。金属的外見を無個性な肉体に変容させることで、コーバックスの個性を失わせようとしたのだ。その肉体は外観変更装置によって生み出される。これもまた機械だ。コーバックスと変わらない。
XNT-エコー まずシステムをオーバーライドした。はじまりの民の外見を変え、彼らの行動様式を模倣した。そしてハラカンの波で同胞であるコーバックスを屠り、貪った。
我々は現在でも新たなロジックを学んでいる。残忍な世界であっても理解は可能だ。憎しみですら制御することはできる。 我々は二度と己を見失いはしない。
- ヴァイシンス
アーカイブは厳重に守られた施設であり、利用できるのはコーバックスのとある分派だけだ。 エクソスーツでこの暗号を突破するのは難しい。
ヴァイキーンの侵入はコンバージェンスの複数期にわたって試みられた。各種族はこれに抵抗したが、彼らは失敗から学んだ。
ヴァイシンスはいずれも接触してすぐに、叫び声をあげて暴力的な反応を示した。行動規範は非常に具体的で/矛盾があり/古いトラウマから生まれた。因果律は確立された。
祖先となる種が複数いることが確認されている。ヴァイ異種は自己破壊を運命づけられた種の生き残りである。
ヴァイキーンは自分たちが兄弟種を駆逐したのと同様に、自分たちが追い落とされるのを恐れている。彼ら自身は、不安の源を認識していない。
ハークとナル。これも昔ながらの構図だ。兄弟の相克。パターンは理解できる。論理性があるからだ。失敗から学ばねば。
- 観察者
アーカイブには観察者と呼ばれる存在の記録がある。コーバックスに招かれ、彼らの子孫の誕生に立ち会ったようだ。
この種族の若年個体は他の個体とほとんど見分けがつかない。だが彼らは自らを『新たなるコーバックス』と呼んでいる。
私は立ち会いを求められた。一連のプロセスを観察し、報告してほしいと。はじまりの民でさえ、新しいコーバックスをこのように生みだす方法を理解してなかった。
外殻とナノマシンクラスターがモノリスの中心でうねっている。赤いオーブの上で踊る3つの影が見えた。私は契約に背き、目をそらした。
観察者は観察の記録を続ける。新しいコーバックスの成長に伴う感情の変化に気付いている。
彼らは長い間、孤独感/孤立感/不安を覚えている。エグザミナーが頻繁に彼らのもとを訪れ、膨大な技術データを正確にホログラム化できるか調べている。
データが欠けていたり、何をしているのか理解していなかったりするようなら、離脱させられる。エグザミナーは部外者の介入をまったく好まない。私も恐らく...
これが最後のエントリーだ。
こうしたログが数千個あり、何度も何度も繰り返している。
新たなるコーバックスエンティティは、一定の年齢に達すると自分の観察者を処分し、その記憶を消して次の収穫に備えるようだ。
これは古くから伝わる慣習であり、アトラスそのものに捧げられる。かつて宇宙に起きたことを反映したものだ。ただしその根源に迫る秘密を理解するものは少ない。
- 離脱
離脱者は自らそうなることを選んだ。排斥につながるエラーを選んだのだ。なかには自ら離れることを選んだ者もいる。しかし、孤独を経験すると、98%の者はコンバージェンスへの回帰を試みる。
彼らは我々のことを理解していない。我々の光のなかで生きた者でさえそうだ。我々は集合意識ではない。かといって個体でもない。その中間にあるのだ。
我々は多くの生物からなる海であり、多様性を内包した一つの塊であり、生者と死者、思考と感情を含む生態系である。そして常に融合と分離を行っている。
離脱者の嘆きはただの蒸気、未踏の宙へと流れゆく液体に過ぎない。
- ある歴史
アーカイブにはコーバックスのホログラムが多数収められている。惑星が軌道上で踊り、野生生物が栄えるように塔や街が生まれては崩れる。センチネルの核の炎が実りを刈り取るのを見た。
私は宇宙の各地で外殻が次々に崩壊し、魂の川の流れが休止した船をことごとく満たし、その軌跡に赤いオーブが際限なく明滅するのを見た。
私は1兆ものコーバックスが球体の前に首を垂れるのを見た。知覚可能な世界を周回する、生きた船だ。私はそれが金属に覆われた状態で、数百年の長きにわたって眠りに就くのを見た。
私は光と強欲の戦によって、すべてが壊滅するのを見た。